葭風会だより

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業平 恋の道①

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天理市櫟本(いちのもと)駅のほど近く、
ここには在原寺と業平神社がありましたが、明治時代の廃仏毀釈で在原寺が廃され、業平神社は在原神社になりました。

在原業平と父 阿保親王(平城天皇の皇子)が祀られています。
 

昔、業平と紀有常の娘はこのあたりで育ったと伝わります。
幼い二人は井筒の井戸に姿を映して遊び、愛を育み、やがて夫婦となります。
井筒は、木や石を四角く組んで井戸を囲ったもの。 

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ところが、恋多き業平は、やがて河内国 高安(八尾市高安)に住む恋人のもとに通い始めました。

 それでも、妻は嫉妬もせず、生駒山地を、しかも夜に越える夫の身をひたすら案じるのでした。




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平安時代 モテモテの色男で、今も女性の心を掴んで離さない業平ですが、
とても静かな、というか、寂しい侘びしい神社です。

でもそれがかえって妖艶さを想像してしまう、なんとも不思議な場所でした。

ここから30キロほど西 高安に続く業平恋の道を、
ほんの少しですが、辿ってみたいと思います。