昔むかし 藤原実方という男がいました。
彼は一条天皇に仕えていた貴族で歌がたいそう上手かったのですが、短気なのが欠点でした。
ある日、ふとしたことがきっかけで一条天皇の御前で、同僚の藤原行成と口論になります。
かぁっとなった藤原実方はなんと笏(しゃく)で行成の冠を払い落としてしまいました。
一条天皇の怒りを買った実方。
「歌枕を見て参れっ」と、陸奥に左遷される事となります。
京の都に戻ることを夢見ていた実方ですが、陸奥で落馬し馬の下敷きになって命を落としてしまいます。
実方は雀に生まれ変わり、恋しい都に飛んで行ったといわれています。
「更雀寺」
(更・・新しいものに変わる。よみがえる。という意)
境内には可愛い雀の置物がありました。
実方がなぜそんなに行成に腹を立てたのか・・
実は清少納言と三角関係だったとか。
かくとだにえやはいぶきのさしも草 さしも知らじな燃ゆる思ひを